AIの相談回答が「優等生すぎる」と感じた理由——お悩み相談に答える僧侶の実験
AIにお悩み相談の答えを書かせたら、素晴らしすぎて使えませんでした。
AI、使ってますか?
聞いたことはあるけど触ったことはない、まだ今はいいかなと思っている。日常的に使っている。仕事でもバリバリ使っている。AIエージェントを使いこなしている。いろんな人がいると思うんです。
ただ、結構な割合の人が、検索の代わりに使う、ちょっとしたお悩み相談に使う、自分の考えを整理するときに使う。
そういう使い方なんじゃないでしょうか。私もそうです。
高度にAIを使って仕事を代わりにやらせるというよりは、そのくらいの使い方がいちばん使いやすいんじゃないかなと思うんですね。
で、今日はその「お悩み相談」のほうで、実際にやってみて思ったことを話します。
AIにお悩み相談を答えさせてみた
私は週に1回くらいのペースで、ハスノハという、お坊さんが答えるお悩み相談のウェブサイトで回答しています。
相談の一覧から一つ開いて、読んで、答える。それをStand.fmで収録しながらやっているんです。
このお悩み相談、AIが答えたらどうなるんだろうと思って、やってみました。 相談の文章を全部スクショしてAIに渡して、「質問の情報を整理してください」と。
そうすると、どんな人か、相談内容の構造はどうなっているか、バーっとまとめてくれるんですね。 それから聞いてみたんです。
「このお悩み相談に答えるとしたら、あなたはどう答えますか」
と。
素晴らしい。素晴らしすぎる
すごく素晴らしい回答が返ってきました。
「ここがあなたの問題です」
という言い方はしないで、まあ少し、共感の言葉を入れながら、ですね。
事前に相談者さんのことをちゃんと分析してますから、それに沿った形なんですよ。
「こういったところを、こうしたほうがいいですよね」
と。
しかも禅語を織り交ぜてくる。
「禅にはこういう言葉があります。禅ではこういったことも言っておりますので、あなたのお悩みもこのような形で徐々に解決していくといいんじゃないでしょうか」。
素晴らしい。素晴らしい。 私がもしお悩みを抱えていたら、なんて素晴らしい答えなんだと思っちゃうでしょうね。
よすぎて、無難
でも、私はちょっと違うことを思ったんです。
よすぎるな、と。
よすぎて、無難だな、と。
優等生すぎる、と言ったらいいのかな。
優等生であることは悪いことじゃない。
否定すべきことじゃないんですが、要するに面白みが欠ける。
意外性が欠ける。人間味が欠ける。
人間じゃないですから人間味が欠けるのは当たり前なんですけど、心の底から納得できるかと言ったら、そういう感じではなかったんですよね。
無難な回答であるがゆえに、心に響きにくい。
ありきたりで表層的な解決法を提示して、心地よい言葉を投げかけて、なんとなく無難にまとめる。
そういう感じだったんです。
私なら、どう答えるか
では私なら、どう答えるか。
その相談は、仕事が辛い、でも辞めると大変だから我慢したほうがいいのかどうか、というものでした。
AIはそれに対して、人間関係がどうとか、どうやったら日々を心穏やかに過ごせるかとか、「こうするといいですよ」ということを言うわけです。
それもいいんですけど、そうじゃないなと私は思ったんですね。
まず、そもそも仕事とは何なのか。
仕事に対するスタンスはどういうものなのか。
そこから考えてみましょう。
それから、苦しみの原因はどこにあるのか。そこをきちんと整理してみましょう。
私はそう答えました。
そして、結構言い切りました。
辛くても仕事を我慢する、というのはあり得ない、と。
断言したら、AIは抵抗を示しましたね。
断言するのはあまり良くないよ、と。
でも、ですよ。
「こうかもしれない、ああかもしれない」
と言っている言葉は、嬉しいかな?
お坊さんに質問している人にとって。
このあたりが、違和感の正体なのかなと思ったわけです。
AIの答えは「平均値」
AIの言うことは、概ね合ってます。
ただそれは、その相談者さんのことを思っての言葉ではなく、世間一般の平均値から導き出される答えなんですよね。
だからAIでお悩み相談をするときは、100%正しいと鵜呑みにしないでいただきたい。
あくまで意見の一つ。
しかも無難な感じの意見だな、と思って付き合うくらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。
あなたがAIに相談したとき、その答えは、あなたのことを思って出てきた言葉でしたか?
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