戒名には、お布施の額で変わる「ランク」が実際にあります。
お寺がいちばん語りたがらない、お金の話。
同じ業界の方が聞いてたら「なんてこと言うんだ」となるかもしれません。なので最初に謝っておきます。
どうしようもないことを言っていたら、なんなりとご指摘ください。
むさぼりを戒める教えと、お金の現実
なぜお寺はお金の話をしたがらないのか。
仏教は教えの性質上、「むさぼり」を戒めているんですね。
だからお金が絡むと、どうしてもそっちの方向に聞こえてしまう。
むさぼるなと説いているのに、むさぼっている。
そんなふうに聞こえちゃいますから。
とは言えですよ。
お金なしで生活できるほど甘くありません。
お金なしでお寺を維持できるほど甘くありません。
仏法を守ることもできない。
だからこそ、お金というのはとても大事なことなんです。
戒名は、生きている人のためのもの
まず、戒名とは何か。
戒めの名と書いて戒名です。
戒とは、人生において苦しみを少しでも少なくして、楽に生きるための心得のこと。
その戒を授かって、仏としての生き方を実践しますよと誓いを立てた人に授けるのが戒名。
つまり仏弟子になる、仏教に正式に入門するということですね。
ここでわかるとおり、戒名は本来、生きている人のためのものなんです。
自分の人生をよりよくするわけですから、生きてるうちに授かるもの。
ところが現代は、そのタイミングを逃してしまう方が数多くいる。
お寺側が「仏弟子になりましょう」と積極的に言ってこなかった責任もあると思います。
知らなかった、という人がかなり多い。
だから、仏教に関わることなく人生を全うした人に、最後せめて仏になっていただきたい。
まずは入門していただく。
そのためにお葬式の際に戒を授け、戒名も授ける。
亡くなったら戒名を授かる、というのはそういう流れなんです。
「ランク」の正体——位号
で、皆さんが聞きたいのはこの先ですよね。
じゃあ、なんでそこにお金が絡むんですか、と。
戒名には、位号と呼ばれる部分があります。
四文字の戒名にプラス二文字、〇〇〇〇信士、〇〇〇〇居士、みたいな。
最後につく信士や居士が位号で、これがいわゆる位、ランクと言われるものです。
ランクですから、階層があると受け止められる。
そして、その階層に応じてお布施の額が変わる。
皆さんが想像する通り、実際にはそういうことも多いです。
お布施は対価ではない
なぜそうなっているのか。
そもそも本来、お布施は対価ではないんですね。
その立て付けとしては、お布施をする人が、自分の持てる力の一部を譲渡する。自分の力を分け与える。
これがお布施です。
そしてお寺は、維持するのに非常にお金がかかります。
建物が大きいですから、修繕費、維持管理費。そこに僧侶の生活費もかかる。
普段から関わり合いがある方なら、まとめて大きな額になる必要はないんですよ。
でも、身内の人生の最後、そのときだけとなると、どうしてもまとめてという形になる。
お寺とお葬儀をあげてもらう方の関わり合いのなかで、金額が決まってきてしまうんです。
位号は、本来「貢献への位」
じゃあ、なぜ位号によって額が違うのか。
昔は、信心が厚くてお寺によく関わっていた人がいました。
行持に参加して、運営を手助けして、伽藍を修繕する際に率先して手伝ってくれた。
そういう「日頃から仏教を実践し、お寺や仏教を守るために、どれだけ力を尽くしてくれたか。」に対して本来つけるべきものが、位号なんです。
生活の中により濃く溶け込んでいた仏教が、そして仏教を守るその貢献の形が、現代では金額という指標になって残ってしまった。
だから信仰の厚い方に授ける位になるほど額も多くなる、というわけです。
最後に残ったのが、お金の差
関わり合いの機会が昔より格段に減ったのは、僧侶が布教活動を積極的にしてこなかった責任もあります。
同時に、関わろうとしなかった、関わる必要もなかったのも事実で、これは社会的な構造の変化がいちばん大きいと思います。
そのもろもろの事情の、最後に残ってしまったのがお金の差、というわけでございます。
これは私個人の考え方が非常に強いところがあるので、みんながみんなそういう考えではありません。
和尚の考え方は間違ってる、というご意見もあるでしょう。
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私の家は曹洞宗で1番上位の戒名を代々授けていただいています。お寺の修繕であるとか、棚教であるとか、全てにおいて上位相当のお布施を出しています。
別にその額を要求される訳ではないのですが、慣習でこれぐらいと決まってようです。私の代になった時にどうするか考え中です。(下げてもらうか)
ためになるお話をぶっちゃけていただきありがとうございます。